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業務改善のフレームワークの中で、厳選した4つをご紹介します。 お役立ちコラム2024.12.04

業務改善のフレームワークの中で、厳選した4つをご紹介します。

業務改善のためのフレームワークといえば、PDCAを筆頭に様々なものがあります。
ここではPDCA、OODA、STPD、ECRSを紹介します。

この記事でわかること

  • 業務改善のフレームワーク(PDCA、OODA、STPD、ECRS)
  • それぞれの共通点と相違点

1.PDCAの特徴

業務改善とは、業務の目的やその工程を見直し課題を見つけ、解決や改善を通じてより良い状態を実現し、生産性を高めることです。業務改善に関するフレームワークは多岐にわたりますが、最も有名なのはPDCAです。
PDCAは1950年代に提唱されました。
PDCAは、Plan(計画)⇒Do(実行)⇒Check(評価)⇒Action(改善)の4つのステップからなります。

PDCAは、具体的な数値を基準として、目標や具体的な計画を策定することからスタートします。P→D→C→Aとサイクルを回しながら、設定した目標に向かって改善のプロセスを継続的に回していきます。

簡略化した例ですが、
目標を「不良品の発生率を減らし、製造業の製造工程で生産効率を5%向上させる」とした場合に、Plan(計画):製造プロセスの見直しと改善案の検討する。
Do(実行):改善案に基づいて新しい工程管理手法を試験的に導入する。
Check(評価):生産効率の向上率や不良品の発生率を記録し、改善効果を確認する。
Action(改善):改善が不十分であれば、さらに工程の調整や追加の品質管理手法を検討する。
そして、またPlanに戻ってこのサイクルを繰り返し、業務を改善していきます。

PDCAは、品質管理や業務改善など、改善活動が求められるさまざまな場面で使われます。特に、反復的な業務やプロセスにおいて、問題点を特定し、改善を繰り返すための方法論として活用されます。

2.PDCAの弱点とその他のフレームワーク①

PDCAでは、Planを立てることに時間がかかることが多く、Actionに行き着くまでにも時間を要することから、ビジネススピード感が加速している現代社会ではフレームワークとして適していない場面が出てきます。また、PDCAは既に課題が顕在化している場合に有効なため、新規事業など課題が明確ではない場合には他のフレームワークが効果的です。

そこで、その他の改善のフレームワークとしてOODAとSTPDについて説明します。
これらは、PDCAに比べて、状況に合わせて迅速に対応できるフレームワークで、柔軟な意思決定を促します。

(1)OODAループ
市場ニーズの目まぐるしい変化やビジネススピードの加速にともなって、社内での意思決定や販促活動、経営判断などに迅速さがより求められ場面が増えて来ました。

OODAループは、Observe(観察)⇒Orient(状況判断)⇒Decide(決定)⇒Act(行動)の4ステップからなります。

OODAは、1970年代にアメリカ空軍大佐であり軍事戦略家のジョン・ボイド氏によって提唱されました。元々は航空戦での戦闘の勝率を高めるために、パイロットの意思決定を対象として考えられた手法です。
先行きが不透明な状況において、命を守るために瞬時の意思決定とスピーディな行動が求められる環境で生まれたフレームワークです。
OODAでは、Observe(現状の観察)からスタートし、情報を収集して、Orient(状況判断)で収集した情報を基に状況を理解し、方向性を見定めます。そして、Decide(決定)Act(行動)で即判断・行動します。今回ご紹介する中で一番スピード感のあるフレームワークです。

「カスタマーサポート業務」を例にします。
Observe(観察):特定の製品に関する問い合わせが急増していることが確認されたため、顧客からのフィードバックやSNSの書き込みをチェックし、どのような問題が発生しているのか観察する。
Orient(状況判断):顧客の声や問い合わせ内容を分析し、問題の原因が特定の機能の使い方や不具合にあることを見つける。解決方法をいくつか考え、優先度の高い対応方法を検討する。
Decide(決定):問題がソフトウェアの不具合によるものとわかり、迅速に修正プログラムを提供するという方針を決定する。また、サポート担当者にも、顧客対応に役立つスクリプトや手順を提供する。Act(行動):決定に基づき、サポートスタッフへ新しい対応手順を導入し、問題が発生した顧客へ迅速に対策を伝える。このように、OODAではその特長である「迅速な意思決定と行動」が発揮されます。

(2)STPDサイクル
STPDサイクルとは、計画を立てる前の「現状把握」を重視したマネジメントの手法です。ソニー株式会社の常務取締役を務めた小林茂氏が提唱した考え方です。

STPDは、See(観察)⇒Think(考察)⇒Plan(計画)⇒Do(実行)の4ステップです。

スタートがSee(観察)から始まります。先入観なしに事実を客観的に捉え、次にThink(考察)で客観的データを分析し、課題を見つけます。そして、課題に対して論理的に対策を立て、スピーディーに施策を実施します。

「新規顧客向けのマーケティング戦略の策定」を例にします。
See(観察):既存のマーケティングデータを確認し、顧客の購買傾向や市場トレンド、競合他社の動向を分析する。
Think(考察):収集したデータや市場の傾向から、新規顧客層にアプローチするための仮説を立て、新しい顧客層にリーチするためのチャネルや方法を検討し、マーケティング戦略にどう取り入れるべきかを考察する。
Plan(計画):立てた仮説に基づき、具体的なマーケティング戦略を計画する。キャンペーンの予算、スケジュール、KPI(重要業績評価指標)を設定し、どのように効果を測定するかも決める。
Do(実行):計画に基づき、SNSキャンペーンや広告配信などのマーケティング施策を実行する。実行中は、広告のパフォーマンスや顧客の反応を定期的にモニタリングし、リアルタイムで効果を確認する。

STPDを通じて、ターゲット層に適したマーケティング戦略を実施でき、顧客の反応や購買行動の変化を把握しやすくなります。成功した施策を次の戦略に応用できるため、継続的にマーケティング戦略の改善が可能です。

3.その他のフレームワーク②ECRS(イクルス)

ECRS(イクルス)は改善のフレームワークですが、「仕事の無駄や非効率を排除し、最適化する」といういわゆる引き算に特化している点で、上述の3つと異なります。
元々は製造業の生産性向上を行うために開発されたフレームワークで、業務のプロセスを改善するために有効です。

ECRSは、Eliminate(排除)⇒Combine(結合)⇒Rearrange(再配置)⇒Simplify(簡素化)の4ステップです。

既存の業務プロセスを構造的に見直し、作業内容の無駄を「排除」「統合」「再配置」「簡素化」という4つの視点で効率化を図ります。

「サービス業の受付業務の効率化」を例にします。
Eliminate(排除):顧客からの基本的な問い合わせに応対するため、スタッフの対応を必要としないFAQシステムを導入し、単純な質問を排除する。
Combine(統合):受付と会計を同じカウンターで行うようにし、顧客が移動する必要をなくす。また、顧客のデータ入力と予約確認を一つのシステムに統合し、別々のシステムで入力する手間を削減する。
Rearrange(再配置):受付エリアを再配置し、顧客がスムーズに並べるようにする。また、よく利用する機器をスタッフの近くに配置して無駄な動きを減らす。
Simplify(簡素化):手続きの際に必要な確認事項を最小限にし、顧客の待ち時間を短縮する。また、システム画面の手順を見直し、入力が簡単に行えるように画面を簡略化する。

結果として、顧客の待ち時間が短縮されスムーズな受付が可能になりました。また、スタッフの業務効率も向上し、より多くの顧客にスムーズに対応できるようになりました。

4.PDCA、OODA、STPD、ECRSの共通点と相違点

(1)共通点
「改善」を促すフレームワークであるという点は、4つに共通しています。

(2)ECRSと他3つの相違点
ECRSは、「無駄や非効率を排除する」ことに焦点が当てられていて、作業手順の効率化に力を入れています。他の3つのフレームワークでは、効率化は業務改善、課題解決の手段の1つではありますが、効率化だけがゴールではありません。

(3) PDCAとOODA、STPDの違い
PDCAはPlan(計画)の策定から入るため、サイクルを回すのに時間がかかります。そのため、中長期的な視点での成長や改善に向いています。
そして、Planから始まるということは、課題はある程度顕在化している状況であり、また、目標数値など数値化できる状況と言えます。

これに対して、OODAやSTPDは、Observe(観察)、See(観察)から入ります。これは、その時点ではまだ課題が明確になっていない場合や新規事業などの場面が想定されています。まずは現状を客観的に観察することで課題を発見していきます。

また、特にOODAでは、観察や状況判断の後にすぐに実行に移すことから、競争の激しい市場など迅速な判断と行動力が求められるときに有効です。

STPDはSee(観察)の後、Plan(計画)を立てる前に深くThink(考察)の段階を挟みます。よって、フレームワークとしては、PDCAよりは素早くサイクルを回す手法であるもののOODAよりは時間をかけて実行に移していきます。

結論

業務改善のフレームワークと言えばPDCAが有名ですが、フレームワークはそれ以外にもあります。課題が顕在化しているか、素早い対応が求められるか等、目的に合わせてそれぞれの「改善」のためにフレームワークを用いると、スムーズな業務改善に繋がっていきます。

最後に

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