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企業規模による人材育成の現状と課題。 お役立ちコラム2024.12.11

企業規模による人材育成の現状と課題。

人材育成は重要と言われていますが、それは何故でしょうか。これに対する答えと、企業規模による人材育成の違い、およびそこから生まれる課題に対する解決策を提案します。

この記事でわかること

  • 人材育成が重要な理由
  • 人材育成への取組みの現状
  • 人材育成の課題と課題解決への提案

1.人材育成はなぜ重要か

企業活動においては、「ヒト」、「モノ」、「カネ」、「情報」が4大経営資源と言われています。経営資源とは企業が事業を行う上で必要な資源です。
4つの経営資源の中でも「ヒト」は、特に重要視されることが多いです。なぜなら、他3つの経営資源は、ヒトが活用することによって初めて資源となるからです。
実際に、2020年版中小企業白書第2部第1章第5節では、業種に関わらず、多くの企業が、経営資源の中で「ヒト」を最も重視していることを明らかにしています。
(参考)重視する経営資源

また、「ヒト」は他の経営資源と異なり個性があり、得られた教育により発揮されるパフォーマンスに差が出ます。企業が、個人に合わせた適切な人事施策や能力開発を実施することで、効果がより発揮されます。このように「ヒト」が持つ能力を最大限に発揮させる人材育成は、企業でどの程度取り組まれているのでしょうか。企業規模で分けて見ていきましょう。

2.企業規模ごとの人材育成の取組みの現状

独立行政法人 労働政策研究・研修機構の調査によると、企業規模ごとの人材育成の取り組みは、データに基づいて以下のような傾向が見られます。
(参照)調査シリーズNo.216 人材育成と能力開発の現状と課題に関する調査

(1) 人材育成方針の決定主体
企業全体の59.1%が「企業主体で決定している」と回答しています。しかし、企業規模が小さいほど「労働者個人主体で決定している」とする割合が高くなる傾向があります。 

(2) OFF-JT(業務外研修)の実施状況
全体の32.1%の企業がOFF-JTを実施しています。企業規模別に見ると、従業員9人以下の企業では15.8%、100~299人の企業では64.4%、300人以上の企業では71.9%が実施しており、規模が大きい企業ほど実施率が高いことが分かります。 

(3) 自己啓発支援の実施状況
自己啓発に対する支援を行っている企業は全体の25.2%です。企業規模別では、300人以上の企業で63.7%が支援を行っており、規模が大きい企業ほど支援率が高い傾向があります。

以上より、企業規模が大きいほど人材育成の取り組みに積極的であり、他方で小規模企業では、まだまだ人材育成への取組みが十分ではないと言えます。

3.人材育成の課題と中小企業独自の課題

(1)企業の人材育成に関する課題
人材育成の課題は様々ですが、大きくは次の4つに集約されます。
●指導する人材が不足している
●人材育成にかける時間がない
●人材を育成してもやめてしまう
●人材育成の方法が分からない
特に前2つの指導者不足と時間的制約については、中小企業で顕著であり解消すべき課題と言えます。

(2)中小企業の課題
①資金とリソースの制約
中小企業では、限られた人員や資金の中で日々の業務を遂行する必要があり、人材育成のための専門部署や専任者を設ける余裕が少ないです。また、研修や教育プログラムの導入には一定のコストがかかるため、資金面での制約から導入を躊躇することもあります。

②即戦力の求め
中小企業では人材育成に時間をかける余裕がなく、即戦力として働ける人材を採用することが求められる傾向があります。そのため、長期的な教育よりも短期的な成果が期待され、現場で即対応できる能力が重視されます。

③日常業務への影響
人材育成のための研修や教育には、現場の業務を一時的に止める必要がある場合も多く、少人数で運営している企業にとっては、業務の停止が生産性や収益に直接的な影響を与えるリスクがあります。

このように、中小企業で人材育成を実施するには課題が多くあります。
しかし、次に示すように、人材育成の実施の有無は、企業の売上高や社員の定着率にも関係していて、課題のまま放置するのは望ましくないと言えます。

(3)企業の売上高や社員の定着率への影響
中小企業庁の「2022年版中小企業白書」によると、次のことが示されています。

①計画的なOJTおよびOFF-JTを両方実施している企業は、いずれも実施していない企業に比べて売上高の増加率が高い。
②能力開発の取り組み状況別に従業員の仕事に対する意欲を調査した結果、取り組みを実施している企業では、従業員の仕事に対する意欲が高いことが確認されており、これは社員の定着率に繋がる。
(参照)2022年版中小企業白書 第2節人的資本への投資と組織の柔軟性、外部人材の活用

これらのデータが示すように、大企業に比べ人材育成への取組みが薄い中小企業においても、なんとか限られたリソースで効果的に人材育成を進めることが得策です。そのためには、以下のような工夫が考えられます。

4.中小企業の人材育成に関する課題解決のための提案

(1)OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)の活用
現場で実際の業務を通じて指導を行うOJTは、低コストでありながら即戦力の育成にもつながりますが、ただ実務をこなすだけでは効果が薄い場合があります。そこで、OJTの目的や目標を明確にし、トレーニングのガイドラインを作成します。指導担当者のチェックリストを用意し、OJTの進捗を管理しやすくします。これらにより、少ない時間でも効率的に知識やスキルが伝わり、従業員の成長が促進されます。

(2)外部研修やオンライン教育の活用
指導者不足で自社内での研修が難しい場合、外部研修の利用が有効です。最近では対面だけではなくオンラインでのコースもあり、以前に比べて仕事を調整して参加しやすくなっています。
外部の専門家から学ぶ機会は、社内では不足しがちな専門知識や最新技術が社内に取り込まれ、社内の知識基盤の強化に繋がります。また、外部での学びを社内に還元することで、社内での学びが広がり、外部研修参加者もアウトプットにより学びが深まります。

(3)従業員の自己啓発を支援
社員が自己啓発のために利用できる支援制度を設け、書籍購入や資格取得等の自己啓発のための費用や時間を一部補助する形でサポートします。自己啓発を支援することは、企業の負担が比較的少ないというメリットだけではなく、社員が自発的に学びやすい環境により社員のモチベーションも向上し、個人の成長が企業全体の成長につながりやすくなります。

(4)社内でのミニ研修・勉強会の開催
内部のリーダーやベテラン社員による小規模な勉強会を開催することで、ノウハウの共有や経験の伝達ができます。これにより、コストを抑えながらも知識とスキルを伝承できます。

各回のテーマを社員に募り、関心が高い内容で開催すると、参加者が自主的に集まりやすくなり、コミュニケーションやチームワークの強化にもつながります。
このように、限られた時間とコストの中でも、創意工夫と柔軟なアプローチを取り入れることで、中小企業でも効果的な人材育成が可能です。

結論

経営資源の1つである「ヒト」を重視し、人材育成をすることは企業の成長・発展に不可欠です。人材や費用の不足から、特に小規模企業においては、人材育成の実施や継続が難しい現実があります。しかし、創意工夫によって限られた資源の中で人材育成をすることは可能です。どういった育成方法があるかは、それを専門とする研修会社等に相談しながら、進めていくことが最短の道と言えます。

最後に

オーダーメイドの研修手法と運営で企業の課題解決をお手伝いするHuAdでは、企業理念の浸透と実践型研修、愛のある人材育成でインクルーシブな社会創りに貢献していきます。お気軽にお問合せフォームよりご連絡ください。

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